証拠金ってなにそれおいしいの?

きほんてきなはなし(雑談含む)

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諭吉 証拠金 通帳
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証拠金ってなんなのよ

さて、前二回の更新では、「外国為替についてはセクシーに」学んできました。
外国為替とは、端的に言うと、外貨と円を交換することでした。
それでは、外国為替証拠金取引とはなんでしょうか。
「証拠金」と「取引」が足されています。
「取引」はわかりますので、証拠金について考えてみましょう。

証拠金とは

例によって、私が高校時代から愛用している新明解国語辞典を引いてみました。
該当する言葉がありませんでした。
世間一般で使われる言葉ではなく、金融における専門用語だということが明解にわかりました。さすがです。
色々調べて解釈した結果によると、

証拠金(しょうこきん:英語でmargin)
経済用語の一つ。契約を確実にするために私たちが金融機関に担保として預けるお金のことを言う。

とのことです。
まだいまいちピンときませんが、話を続けます。

証拠金のない世界での取引は

通貨が「イェン」である架空の国「ヤプー」と通貨が「ドラァ!」である架空の国「邪蛮国」があったとしましょう。
1ドラァ!を得るには、100イェンが必要であるとします。
為替取引をするにあたって、100,000イェンを元手に始めます。

100,000÷1001,000

100,000イェン1,000ドラァ!に交換できます。
その後、1ドラァ!99イェンになりました。
手元にある1,000ドラァ!をイェンに戻します。

1,000×9999,000

手元にあるお金は、99,000イェンになりました。
1,000イェンの損失です。
皆さんはこの結果についてどのように考えるでしょう。
すごく損をしたと考えるでしょうか。
それとも大したことはないと感じるでしょうか。

証拠金という発明

頭のいい人は考えました。前述の取引例では物足りない。
邪悪に家畜人から搾取する方法はないかと。
仮に、前の取引を100倍の額で行ったら、損益はどうなるだろうかと考えました。

1ドラァ!100イェンのとき
10,000,000÷100100,000

1ドラァ!99イェンになったら
100,000×99=9,900,000

損失も100倍の100,000イェンとなります。
ここで、頭のいい人は思いつきました。
損失分を払えるのならば、100,000イェンしかない家畜人でもこの取引を一応ながら成立させることができるのではないか、と。
家畜人ヤプーが取引に差し出したお金は、いわば損失を保証するためのお金として置き換えることができるのではないか、と。
その家畜人ヤプーが取引に差し出したお金を、「証拠金」と名付けよう。
そうすれば、100倍の速さでお金を回収することができる。
こうして、証拠金取引という制度が爆誕しました。
証拠金取引とは、損失を支払うことができる範囲で、前もって保証金を業者に差し出しておくことで、取扱通貨の量を何倍にも増やす仕組みのことなのです。

証拠金率とレバレッジ

この証拠金である100,000イェンは、上の悪魔じみた取引で取り扱った10,000,000イェンの何%にあたるでしょうか。

10,000,000× X = 100,000
X=100,000÷10,000,000
X=0.01

すなわち、1%ですね。
頭のいい人は、この割合のことを、「証拠金率」と名付けました。
証拠金を1%差し出すことで、100倍の規模の取引を実現させています。
また、このときの100倍という数字を、「レバレッジ」と名付けたわけです。

日本の証拠金制度

日本では、政令による規制により、証拠金率は、4%までと定められています。
あまり高いレバレッジを許すと、証拠金よりも大きい額の損失が投資家に発生して借金となってしまいます。
すなわち、高レバレッジによる高リスクの取引が社会問題化したのです。
言い換えれば、日本では、取引したい金額の4%は、証拠金が必要であるという制限を設けている、ということです。
レバレッジに直すと25倍です。

10万円でどこまで戦えるのか

仮に、10万円を証拠金として差し出したとしたら、

100,000×25 = 2,500,000

250万円に相当する額の取引ができるということになります。

本日のまとめ

証拠金取引は、損失を払えりゃ
取引を成立させてもいいじゃんという制度
10万円あれば、250万円の通貨を取引できる

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